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第23回 BJCC Meetup! 開催レポート:
Boxは1年でどれだけ進化した?
「使わないともったいない」新機能をピックアップ

 2022.12.26  2023.01.30

便利で効率的なデジタルワークスペースの在り方を考え、学び、実践していく組織のためのコミュニティ「Box Japan Cloud Connections」(BJCC)では、さまざまなテーマについて学ぶ勉強会「BJCC Meetup!」を開催しています。

第23回は「帰ってきたもったいない道場! 過去一年のおすすめアップデート Box編」と題し、Boxで2022年に実施された膨大なアップデートの中から、おすすめの新機能や、その便利な使い方を厳選し、ベンダーの方にご紹介いただきました。

1年で67以上の機能が進化したBox——「使わないともったいない」のは?

SaaSでは、サービスへの新機能の追加やバグフィックスが継続的に行われ、ユーザーがすぐにその恩恵を享受できることが魅力の1つです。しかし、頻繁に行われるアップデートの情報を常にチェックし続けるのは、ユーザーにとって負担でもあります。例えば、今回のテーマであるBoxなら、サポートサイトであるBox Supportに、製品アップデートの情報が逐次掲載されますが「細かすぎて追いきれない!」と思っている方もいるのではないでしょうか。

2022年も終盤に差し掛かった11月17日に開催された、第23回BJCC Meetup!では、Box Japanでプロダクトテクノロジースペシャリストを務める石川学氏をゲストに迎え、2022年に提供されたBoxのアップデートを振り返りながら、「最もアピールしたいアップデート」「地味だけど、実は便利になったアップデート」「今後のアップデートの方向性」についてお話しいただきました。

石川氏によれば現在のBoxでは、主に「コンテンツを守る」「ユーザーに力を与える」「ビジネスをつなぐ」という3つを軸に製品設計が行われているそうです。

「コンテンツを守る」はBox Shieldをはじめとする、セキュリティやコンプライアンスに関わる機能群、「ユーザーに力を与える」は、社内外とのコラボレーションやワークフローを円滑にするための機能群であり、電子サインツールのBox SignやワークフローツールのBox Relayなどが含まれます。最後の「ビジネスをつなぐ」は、Box以外のさまざまな業務アプリとの統合機能を指しています。2022年には、Microsoft 365、Slack、Salesforceといったサードパーティ製品との連携強化が進みました。

それぞれの領域について、2022年にリリースされたアップデートは、主要なものだけで67機能におよびます。以下の3枚のスライドは、領域ごとに、それらをピックアップしたものです。

第23回 BJCC Meetup! 開催レポート:Boxは1年でどれだけ進化した?「使わないともったいない」新機能をピックアップ01第23回 BJCC Meetup! 開催レポート:Boxは1年でどれだけ進化した?「使わないともったいない」新機能をピックアップ02第23回 BJCC Meetup! 開催レポート:Boxは1年でどれだけ進化した?「使わないともったいない」新機能をピックアップ03

「お客さまに“Boxは便利だが、機能が多すぎて全体像がよく分からない”とご指摘をいただくことがあります。実はお客さまだけでなく、Boxの社員でも、すべてのアップデートを把握するのは大変です。ただ、これらの中には、存在を知っていることで、働き方を大きく変えることができるものも多いです。そうした機能をぜひ、積極的に活用していただきたいと思います」(石川氏)

セキュリティの強化ポイント——より多くの環境で「二段階認証」が利用可能に

企業でクラウドサービスを利用する場合、「ユーザー認証」の強化はセキュリティを確保する上で不可欠です。近年では、ログイン時に従来の「IDとパスワード」による認証だけでなく、スマートデバイスによる生体認証や、ショートメッセージで送られるパスフレーズなどを組み合わせた「二要素(多要素)認証」「二段階認証」も広く使われています。

Boxでは、以前より多要素認証に対応していましたが、2022年にはTOTP(タイムベースワンタイムパスワード)やメールなどが利用できる、新たな認証オプションが追加されました。

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「二要素認証自体は、以前から利用できましたが、お客さまの環境によっては、セキュリティ管理が厳しく、オフィスでの携帯電話の利用や、スマートフォンへのアプリ導入が禁止されているケースもあります。今回追加されたTOTP、メールベースの多要素認証オプションは、そうした環境でもBox利用時のセキュリティを高められます」(石川氏)

もう1つ、セキュリティに関連した「使わないともったいない新機能」は、レポート機能の一部として提供されています。Boxには、ユーザーの利用状況に関するレポートを作成する機能がありますが、これまでは組織のBox管理者でなければ、その内容を確認することができませんでした。そのため、レポートの社内配布などにかかる、管理者の業務負荷が高くなりがちでした。

2022年には、レポートのスケジューリング機能や配布機能が実装されました。これによって、Boxの利用状況レポートを定期的に作成し、関係者に共有リンクを配布するという一連のプロセスを自動化できるようになりました。さらに、この機能ではレポートのテンプレートをカラム単位で編集可能になっているため、「関係者全員が目にしてよい情報だけ」を選択し、共有レポートを作成できます。うまく利用することで、共有すべきでない情報が不用意にユーザーに公開される状況を避け、セキュリティを保つことができます。

Box Relayによるワークフローを適用できる範囲が拡大

Box Relay(以下、Relay)は、コンテンツに関するプロセスの自動処理を作成できるワークフロー作成ツールです。特に企業ユーザーからの評価と期待が高いツールで、リリース以降、積極的な機能強化が継続されています。

2022年においても、Relayには多くの便利な機能が追加されました。

その1つが、Relayのワークフロー設定時に、ファイルやフォルダに適用されているBox Shield(Boxのセキュリティ機能)の分類を示す情報ラベルが表示される機能です。この機能が追加されたことで、ワークフローをつくる際に、うっかり制限が掛かっているコンテンツをフローに組み込んでしまうことに由来する事故を避けられます。

また、電子署名ツールであるBox SignとRelayとの連携も強化されています。Relayのトリガとして、Box Signでの署名依頼のステータス(署名完了、キャンセル、期限切れ、拒否等)を使用したイベントが追加できるようになりました。

加えて、Box Signで署名済みのドキュメントと対になる「署名ログ」を、同時にアクションとして操作できるようになっています。この機能は、署名済みドキュメントを、ログ情報と一緒にアーカイブしておきたい場合などに活用できます。

RelayとBox Signの連携が強化されたことで、署名依頼から後処理までの一連のプロセスをワークフローに加えることが可能になり、自動化できる範囲がより広がっています。

「Boxとしては、電子署名ツールを単体ではなく、依頼から完了、結果の保管——といったコンテンツライフサイクル全体を念頭に置いて、活用してほしいと考えています」(石川氏)

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そのほかにも、ワークフローの結果と連携したフォルダへのメタデータ追加や、コラボレータ削除といった処理が可能になりました。例えば、ワークフロー完了後にフォルダやファイルのコラボレータを削除する処理を入れておくことで、コラボレータとひも付けられたコンテンツが大量に溜まっていく状況を回避できます。

この一年で、Relayによるワークフローを介したコラボレーションと、その運用を、使いやすくかつシンプルにする新機能が多数追加されました。Relayを導入している企業は、ぜひ活用を検討してみましょう。

「共有リンク」を通じた共同編集がより簡単に

Box上のファイルを配布する際に利用する「共有リンク」は非常にポピュラーで、多くのユーザーが利用しているのではないでしょうか。ただ、共有したファイルをBox上で「共同編集」したい場合には、従来、コラボレータとしてユーザーを招待する必要があり、そのひと手間が面倒で、結局オーナーがフィードバックを取りまとめて自分で編集してしまうというケースもあったのではないかと思います。

2022年には、Boxにログインしているユーザーに対して、共有リンク機能で共有したファイルの「編集権限」を付与できる改善が施されました。これによって、共有リンクベースでの共同作業がより手軽に行えるようになりました。ただ、現状、この機能を利用して共同編集を行うと、コンテンツに設定された本来のコラボレータ権限が上書きされるので、若干注意して使う必要があります。

「共有リンク」については、今後も柔軟性の向上を意識した機能強化が検討されており、権限を持つユーザーに対して「コメント」「注釈」「推奨アプリ」「メタデータ」などへのアクセス、あるいは使用を可能にするといった機能がプレビューになっています。今後の進化にも期待です。

表現力が大きく向上したコラボレーションツールBox Notes

複数のユーザーでコンテンツ共有をベースにコラボレーションが可能なオンラインエディタBox Notesにおいても、多くの機能が強化されました。

インラインカーソルでコラボレータによる編集をリアルタイムに追跡できるようになったほか、コンテンツの作成面では「吹き出し」や「ブロック引用」といった特殊なフォーマットへの対応、タイポグラフィや画像、表機能の強化も行われています。加えて、目次、アンカーリンク、区切り線などを挿入して、Box Notes上の情報を従来よりも簡単に整理したり、まとめて移動したりできるようになっています。

他のアプリケーションで作成し、アップロードしたファイルの共有だけでなく、Box上で手軽に表現力の高いコンテンツを作成し、整理しながらチーム作業を進められるツールとしての完成度が上がっています。

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「Markdown記法や、ソースコード向けのブロック表示なども新たにサポートされていますので、ビジネスユーザーだけでなく、プログラマーやエンジニアの方にも、ぜひBox Notesを活用して頂きたいと思っています」(石川氏)

手間の掛かる管理作業を自動化するBox CLIがより使いやすく

CLI(Command Line Interface)は、マウス操作が可能なグラフィカルなユーザーインターフェース(GUI)に対し、テキストベースのコマンド(命令)を入力することで、Box上のさまざまな機能を操作できる環境を指します。

通常は、GUIベースの管理コンソールで操作するケースが多いと思いますが、例えば、「数百人規模のユーザーを適切な権限情報と合わせて新規登録し、個人用フォルダを作成する」といった作業を、1件ずつGUIで行うのは大変です。そんな時に「CLIスクリプト」を利用すると、表計算ソフトなどで作成したテキストデータをもとに、自動で一連の操作を完了できます。

開発者向けのサポート情報を提供するBox Devでは、サンプルとして「ユーザーとフォルダのプロビジョニング」「非アクティブなユーザーのレポート」「メタデータの抽出」といった作業に利用できる、PowerShell 向けのスクリプトを公開しています。ユーザーは、サンプルを自社向けにカスタマイズして利用することが可能です。

本来、こうしたCLIスクリプトは、管理者権限を持ったパワーユーザーだけが使えるものでしたが、Boxでは、より多くのユーザーが管理操作を自動化できるよう、GUIの「管理コンソール」上からスクリプトを実行できるテンプレートライブラリを用意しました。これによって、少数のスクリプトが書ける管理者に集中しがちだった作業を、適切な権限を与えられたユーザーに委任しやすくなりました。

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Box CLIスクリプトは、管理作業を自動化できる非常に便利な機能ですが、影響範囲が広範になることもあるため、本来、公開鍵などを使った厳格なユーザー認証のもとでのみ利用できるようになっていました。Boxでは、より多くのユーザーが自動化の恩恵を受けられるよう、Box CLIへのアクセスを、オープンな権限認可の仕組みであるOAuthを使って行えるようにしました(OAuth for CLI)。

この新しい環境により、特に大規模なユーザー数でBoxを利用している場合には、管理作業が行えるユーザーを従来よりもシンプルに増やすことができ、管理者の作業負荷分散に寄与します。実際に、Box CLIを利用できるかどうかは、PC上でユーザーに与えられている権限やネットワーク環境などによっても異なりますが、多くのユーザーを抱え、管理作業の負担が増えていると感じている担当者なら、活用を検討してみる価値がありそうです。

今後もアップデートが続々——今後の進化に期待

最後に石川氏は、この先、Boxが何らかの形での実装を検討している新機能や機能強化について、いくつかを紹介しました。

情報バリア:同じ会社の中でも、ユーザーによってアクセスできるコンテンツを区分けできる機能

Box Canvas:Box上で利用できる仮想ホワイトボード

グループポリシー:従来、コラボーション時に利用されていた「グループ」の概念を拡張。セキュリティポリシー、SSO、セッションの長さ等をグループごとのポリシーとして設定可能にする仕組み

これらは検討中のものもあり、サービスとしてどのような形で実装されるか、また時期についても詳細は未定です。ただ今後もBoxでは、ユーザーのコラボレーションをより便利で、安全でシンプルなものにするための機能強化が継続されていくことを期待させてくれました。

今回の「帰ってきたもったいない道場」で、石川氏が「特におすすめ」と太鼓判を押した新機能を知り、Boxの価値をさらに引き出すことにチャレンジしたくなったユーザーも多いのではないでしょうか。ぜひ注目の機能を使いこなして、“より本業に専念できる、生産性の高い環境づくり”を目指してください。

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