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第25回 BJCC Meetup! 開催レポート:
ビデオ会議だけなんてもったいない!
UCプラットフォームへ進化するZoomの最新情報

 2023.03.07  BJCC

便利で効率的なデジタルワークスペースの在り方を考え、学び、実践していく組織のためのコミュニティ「Box Japan Cloud Connections」(BJCC)では、さまざまなテーマについて学ぶ勉強会「BJCC Meetup!」を開催しています。第25回は「帰ってきたもったいない道場! 過去一年のおすすめアップデート Zoom編」と題し、2022年に実施されたZoomの主なアップデート内容を中心に、おすすめの新機能や便利な使い方を厳選してご紹介いただきました。

単なるオンライン会議ツールから脱却を図るZoom

Zoomを提供するZVC JAPANから今回、登壇頂いたのは、技術営業部 部長の八木沼剛一郎氏です。

技術営業部 部長の八木沼剛一郎氏

ZVC(Zoom Video Communications)社の日本法人であるZVC JAPANの発足は2019年ですが、2020年来のコロナ禍が大きなきっかけとなり、日本企業でオンライン会議に対するニーズが一気に高まりました。あれから約3年でZoomは、日本においてもオンライン会議ツールの代名詞と呼べるほどに存在感を高めています。

「これからの10年で、Zoomは単なるWeb会議システムの提供ベンダーから、ユニファイドコミュニケーションのプラットフォームベンダーへ成長していこうとしています」(八木沼氏)

講演の冒頭、八木沼氏は聴講者に「“Zoomクライアント”と聞いて、何をイメージしますか?」と質問しました。きっと多くの人は、オンライン会議の際に表示される、参加者の顔が並んだ“あの画面”を思い浮かべるのではないでしょうか。

Zoomの一機能である“Zoomミーティング”の画面

「これは、Zoomの一機能である“Zoomミーティング”の画面です。“Zoomクライアント”には、ミーティング以外にも、企業のコミュニケーションを統合し、効率化できる、さまざまな機能への入り口が用意されています。今日は、Zoomで利用できるさまざまな機能について、広く知って頂ければと思います」(八木沼氏)

正式には、デバイスにインストールした「Zoom」のアイコンをクリックすると立ち上がる、この画面が「Zoomクライアント」になります。

Zoomクライアント

Zoomクライアントの上部には、Zoomが提供するさまざまな機能へアクセスするためのアイコンが並んでいます。八木沼氏は、各アイコンが表す機能について、順に紹介しました。

各アイコンが表す機能

社内コミュニケーションを置き換える「チームチャット」

かつて、企業のコミュニケーションツールと言えばメールが主流でしたが、チャットは、よりカジュアルで、よりリアルタイム性の高いコミュニケーションがしやすい点でメリットの多いツールです。特にリモートワークが導入されている企業では、社内コミュニケーションにおいて、チャットがメールよりもポピュラーになっているケースも多いのではないでしょうか。

Zoomには、チャット機能が標準で用意されており、クライアント上部の「チームチャット」アイコンから利用できます。

チャット機能

チャットルームの作成や分類、文字の装飾、ファイル共有といった、チャットの一般的な機能に加え、Zoomのチャットには、「スクリーンショット共有」「コード共有」「音声およびビデオメッセージの作成と送信」といった、ちょっと便利な機能も用意されています。

「コード共有」は、手元にあるソースコードをチャット相手と共有したい時、ドロップダウンリストで言語の種類を選んで貼り付けることで、コードをより見やすい形に整形してくれます。特にエンジニア同士でチャットする機会が多い組織などでは、便利な機能です。

コード共有

また、Zoomのチームチャットは、ビジネスチャットとしてのセキュリティも考慮されています。ログイン時の多要素認証のサポートや、送受信データや保存データの暗号化といったものはもちろん、既に企業でファイルの共有場所として認められているBoxをはじめとするクラウドストレージを、データの保管場所としてユーザーが指定することも可能です。

メールとカレンダーの統合でさらに便利に

2022年11月に開催されたZoomのイベントZoomtopiaでアナウンスされたばかりの新機能が「Zoomメール」と「Zoomカレンダー」です。現在、最新のZoomクライアントから、ベータ版を利用できます。

Zoomメール

前出の「チャット」も含めて、メールやカレンダーのような、業務で使うツール類が分散していると、作業中にツールの切り替えが発生し、そこで集中力が途切れてしまうことを不便に感じる人もいるのではないでしょうか。Zoomでは、こうしたコミュニケーションのための機能群をZoomクライアント上に統合することで、作業の効率化や快適さの向上を図ろうとしています。

Zoomカレンダー

「Zoomメール」「Zoomカレンダー」のベータ版は、現状、Microsoft 365やGoogle Workspaceといったサードパーティー製のメールサービス、カレンダーサービスに接続して、フロントエンドとして使うものになっています。各ツールのインターフェースは、他の一般的なサービスと同等のものになっていますが、Zoomクライアントのコンタクトリストやミーティングツールと組み合わせた予定調整や会議設定が、より効率的になるよう意図されています。

Zoomならではの使い方としては、会議の進行状況把握が挙げられます。これは、カレンダー上のミーティング予定と連携して、現在開催されているミーティングへの出席者の集合状況をリアルタイムで確認できるという機能です。例えば、「ミーティング直前に電話が入ってしまった」という時に、参加人数や名前を見ながら、ギリギリまで電話対応をしつつ、ミーティングに入るタイミングを図るといった使い方もできます。

Zoomカレンダー

「Zoom Phone」で音声通話もZoomに統合

Zoomでは、ビジネスユーザー向けのオプションとしてVoIP電話サービス、クラウドPBXサービスを提供しています。これは「Zoom Phone」と呼ばれるサービスです。組織として「Zoom Phone」を導入することで、各ユーザーは「Zoomクライアント」から、公衆網(一般の電話回線)へ電話をかけることができるようになります。

ビジネスフォンを導入している企業であれば、内線電話や外線発信などを実現するためにPBX(交換機)を設置しているケースもあると思いますが、Zoom Phoneは、単体で導入することも、既存のPBXを一部残して、追加で導入することもできます。近年、地方の営業所やブランチオフィスを柔軟かつ迅速に開設できるよう、電話回線やビジネスフォンを必要としない、クラウドPBXを活用する企業が増えていますが、Zoom Phoneがあれば、そうしたニーズにも対応できるわけです。

Zoom Phoneでは、コールセンターで使われるような、通話のモニタリング機能や録音機能も利用できます。モニタリング機能では、2者で行っている通話をオブザーバーがモニタリングし、片側にだけ聞こえるように発話したり(ウィスパー機能)、途中で通話を代わったり、3者での通話に切り替えたりといったことが可能です。

また、通話の録音、自動での文字起こし、音声データのダウンロードにも対応しています。現時点(2023年2月時点)で、通話録音データの保存容量について、特に制限はありません。八木沼氏によれば「将来的には容量に応じて課金される可能性もある」とのことですが、Zoomと高度に連携するクラウドPBXとして、かなり魅力的なサービスと言えるのではないでしょうか。

Zoomのユーザー体験を手軽に向上できる「Zoomアプリ」

最新のZoomクライアントには「アプリ」というアイコンがあります。ここからは、Zoomと連携して利用できる外部アプリを提供するマーケットプレイスにアクセスできます。現在、生産性向上、コラボレーション、エンターテインメント、ウェルビーイングといったカテゴリで、125種類のアプリが公開されています。

Zoomアプリの導入は、Zoomクライアントの「アプリ」アイコンからマーケットプレイスにアクセスし、必要なパーミッションなどを確認した上で承認を行うだけです。組織でZoomを利用している場合には「導入にIT部門の承認が必要」といったポリシーを設定することもできます。

八木沼氏は、おすすめのZoomアプリとしてWeloを紹介しました。Weloは、物理的なオフィスのメタファーを利用して、メタバース的な仮想ブレイクアウトルームをZoom上に設置できるアプリです。

ZoomアプリとしてWelo

「Weloでは、グループ別の作業が発生するワークショップを行いたい場合などに、ユーザーフレンドリーなインターフェースで簡単に実現できます」(八木沼氏)

そのほかにも、Zoomアプリには、教育研修などの理解度確認に利用できるクイズの作成アプリなども用意されているそうです。「Zoomアプリ」は現状、日本語化の途上にあるサービスですが、Zoomのユーザー体験を向上させるアドオンを手軽に利用できる仕組みとして、今後の拡充が期待されます。

アバター作成も可能になった「ミーティング」

ここまで、八木沼氏は主にミーティング以外の機能について紹介してきましたが、おなじみの「ミーティング」にも、ここ1年ほどでユニークな機能が追加されています。それがアバターの作成機能です。

Zoomミーティングでは、2022年春からアバター機能のベータ版が利用できるようになっています。アバターは、Zoomミーティングの「設定」内にある「背景とエフェクト」から利用でき、ユーザーの代わりに画面に表示される3Dモデルを指定できます。機能の提供開始当初は、動物を模したいくつかのモデルだけが選択できたのですが、現在は「アバタービルダー」で人間の顔を作成できるようになっています。

「アバタービルダー」で作った顔は、カメラで取り込んだ実際のユーザーと連動し、顔全体の動きや、まばたき、発話中の唇の動きなどもリアルタイムに反映されます。直接顔をうつしたくないけれども、感情表現を交えてミーティングに参加したい場合などに使える面白い機能です。

アバタービルダー

そのほか、八木沼氏は、あまり知られていないけれども役に立つ機能として、Zoomミーティングからの情報漏えいを抑止するための「ウォーターマーク」機能について紹介しました。これは、ミーティングの参加者がローカルで取得したスクリーンショットや音声データに対し、Zoom側で電子的な透かしを入れることで、万が一、その内容が外部へ流出した際に、流出元を特定できるようにする機能です。

ウォーターマーク

「Zoomミーティングにそうした機能があると参加者に周知することで、意図的な情報漏えいを未然に抑止することにもつながると思います」(八木沼氏)

先進的なサービスを取り入れながらUCプラットフォームに進化するZoom

最後に、八木沼氏は今後検討されているZoomのサービス拡充について触れました。

現在ベータ公開中の「Zoomメール」「Zoomカレンダー」については、現状のような外部サービスのクライアントとしてだけでなく、Zoom独自のクラウドメール、カレンダーのサービスを提供する計画があるそうです。ビジネスユースを考慮した暗号化などはもちろんのこと、カレンダーを通じて、組織外の人との予定合わせを容易にするような機能の提供も検討しているといいます。現在、北米では50人以下の小規模なチームから試験的にサービスが開始されており、今後、日本でも利用できるようになる見込みです。

もうひとつは「Zoom IQ for Sales」と呼ばれるものです。これは、ZoomミーティングやZoom Phoneの録画・録音データをAIで大規模に分析し、そこから事業アイデアの創出やビジネス会話の改善につながるインサイト(知見)を得られるようにする先進的なサービスとなっています。

Zoom IQ for Sales

「これは、社内で行われているミーティングや会話の傾向を統計的に理解することを助けるサービスとして開発が進められています。例えば、会議の中でよく引き合いに出される競合の名前から今後の営業戦略を明確にしたり、自分の会議での話し方を客観的に振り返ることで、発話のスピードや発言量などを改善し、営業コミュニケーションの質を高めるために利用したりといった活用方法が考えられます」(八木沼氏)

「Zoom IQ for Sales」については、現在一部地域で試験サービスが始まっており、日本では、試験サービスを通じてよりAIの精度を上げた段階でのリリースを予定しているそうです。

「今回の講演を通じて、みなさんに“Zoomってミーティング以外にも、いろいろなことができるのだな”と感じていただけたらうれしく思います。今後もZoomは、“業務と業務をつなぐ”ユニバーサルコミュニケーションのプラットフォームとして進化していきます」(八木沼氏)

普段からZoomを利用していても、今回の講演を聞いて「Zoomって、そんなこともできたのか」と驚いた人は多いと思います。一度、自分たちの業務やコミュニケーションのスタイルを振り返りながら「Zoomクライアント」が持つさまざまな機能を有効に活用する方法について検討してみるのも良いのではないでしょうか。

今後も、BJCCではさまざまなテーマでイベントを開催していく予定です。いち早く情報を知りたい方は、ぜひコミュニティに参加し、BJCCのSlackチャンネルをチェックしてみてください。

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